自分がうつだと気づいた症状は?

今回は、医師であった私がうつ病を疑って病院へ行くきっかけとなった症状をご紹介します。

私は精神科が専門ではありませんでしたが、医学部の授業や国家試験の勉強、初期研修医の時に精神科も経験しましたので、ある程度知識はあるつもりでした。しかし、自分がうつ病かもしれないなと気づいたきっかけは、私のイメージの中にはないものだったのです。

うつ病の主な症状

うつ病の主な症状として、調べるとすぐに出てくるのは以下のようなものです。

1. 精神的な症状

  • 抑うつ気分: 悲しい、憂うつ、気持ちが沈む、一日中気分が晴れない
  • 興味・喜びの喪失: 好きだったことに無関心になる、趣味を楽しめない
  • 意欲の低下: 何をするのも億劫、おっくう、元気が出ない
  • 思考・集中力の低下: 考えがまとまらない、決断ができない
  • 自責感・罪悪感: 「自分が悪い」と自分を責める
  • 悲観的な見通し: 将来を悲観する
  • 死にたい気持ち: 自殺願望(「死んだ方が楽になれる」と考える) 

2. 身体的な症状

  • 睡眠障害: 寝つきが悪い、夜中に目が覚める、朝早く目覚める(早朝覚醒)
  • 疲労感・倦怠感: 体がだるい、疲れやすい
  • 食欲の低下・体重減少: 食欲がなくなる、または過食
  • 身体的不調: 頭痛、肩こり、動悸、めまい、胃の不快感、便秘・下痢

ここにある症状はほぼ全て当てはまりました。特に、体重減少や睡眠障害、便秘といった身体症状は分かりやすいものでしたが、自分で一番おかしいと思ったのは次の症状でした。

おつりの計算ができない

私は買い物をして現金で支払う時、無意識に、おつりがいくらになるか頭の中で計算するくせがあります。おつりの一桁が切りが良く0や5になるように出すこともよくしていました。

しかし、これが全くできなくなり、切りが良くなるように出したつもりが、関係のない小銭を出してしまったりするようになりました。

これが、主な症状の中の「思考・集中力の低下」の一つなのだと今では分かりますが、それまで無意識にできていたことができなくなり、ああ、病気なんだなと分かりました。

周囲の人にも気づいて欲しい

私が自分で病気だと気づいたきっかけは、教科書では見たことのない「計算ができない」というものでした。しかし、今思い返すと、それ以前から体重は10か月で8キロも減っていたし、夜も1時過ぎまで寝ずに運動や家事をしていたりと、おかしなことはあったのです。しかし、ともに生活している家族もおかしいとは気付きませんでした。

私は、気づくのが少し遅かったので、回復に3年かかり、医師の仕事を辞めることになりました。今でもおつりの計算が上手くいかない時があります。

もし、ご自身やご家族で、これまでできていた簡単な計算ができなくなった、という方がいましたら、うつ病やそれ以外の病気の可能性もありますので、早めの受診をおすすめします。

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